UNIX入門

ファイルやディレクトリ操作

初めは戸惑うこともあるかも知れませんが、慣れてしまえば手をあまり動かさずにコンピュータを操作することが出来るため、とても便利です。

ファイルの内容表示

ファイルの内容を表示する時に使用するコマンドです。Emacs などで作成したテキストファイルを、Emacs を起動しなくても確認出来ます。

cat <ファイル名>
            

% cat introduction.txt
I am a student of the University of Aizu.
            

また、他にも more や less といったコマンドもあります。cat は一気に表示されてしまうため、長いテキストファイルの場合は前の方を見ることが出来ません。しかし more は、スペースキーやリターンキーを押すことによって、順に表示することが出来ます。また less は、順に表示するだけでなく、カーソルキーの上下のキーを押すことによって、前の方に戻ることも出来ます。

more や less の書式も、cat とほぼ同じです。

ディレクトリの内容を一覧表示

カレントディレクトリや指定したディレクトリの中にあるファイルやディレクトリなどを表示します。

ls
ls <ディレクトリ名>
            

% ls
dic             public_html     usr
% ls /
TT_DB           devices         lib             proc            usr
a               etc             lost+found      public          var
bin             export          mnt             reconfigure     vol
cdrom           floppy          net             sbin            work
core            home            opt             sup             xfn
dev             kernel          platform        tmp
            

また、次のように -l オプションを付けると、ファイルやディレクトリのサイズや作成日時などの、詳細な情報も表示することが出来ます。

ls -l
ls -l <ディレクトリ名>
            

% ls -l
total 5
drwx------   3 m5071117      512 May 15  2003 dic
drwxr-xr-x   4 m5071117     4608 Nov  5 14:45 public_html
drwxr-xr-x   9 m5071117      512 Oct 20 19:47 usr
            

ファイルのコピー

ファイルをコピーしたい時に使用するコマンドです。

cp <コピー元のファイル名> <コピー先のファイル名>
            

% cp introduction.txt introduction2.txt
            

ディレクトリの作成

新しくディレクトリを作成したい時に使用するコマンドです。

mkdir <作成したディレクトリ名>
            

% mkdir doc
            

ファイルやディレクトリ名の変更

ファイルやディレクトリの名前を変更する時のコマンドです。

mv <今のファイル名> <変更後のファイル名>
            

% mv introduction2.txt profile.txt
            

また mv コマンドは、ファイルやディレクトリを、他のディレクトリに移動することも出来ます。

mv <移動したいファイル名> <移動先のディレクトリ>
            

% mv introduction.txt doc/
% mv introduction2.txt doc/
            

さらに、次のようにある文字や文字列の後に * を付けることにより、ある文字や文字列で始まる全てのファイルやディレクトリを指すことも出来ます。次の実行例の場合は、intro で始まる全てのファイルやディレクトリという意味になります。

% mv intro* doc/
            

ちなみに *intro だと、intro で終わる全てのファイルやディレクトリとなり、intro*tion だと、intro で始まり、tion で終わるという意味になります。

現在の作業用ディレクトリの変更

現在のカレントディレクトリを移動する時に使用するコマンドです。

cd <移動したいディレクトリ名>
            

% cd doc/
            

作業中のディレクトリの出力

現在のカレントディレクトリを表示する時に使用するコマンドです。

pwd
            

% pwd
/a/stdfsv3/home5/m5071117/doc
            

ファイルの削除

ファイルを削除するコマンドです。間違えてファイルを作成してしまった時や、ファイルが不要になった時に使用します。

rm <ファイル名>
            

% rm introduction2.txt
            

ディレクトリの削除

ディレクトリを削除するコマンドです。間違えてディレクトリを作成してしまった時や、ディレクトリが不要になった時に使用します。

rmdir <ディレクトリ名>
            

% rmdir tmp/
            

ファイルの中の行数、単語数および文字数の表示

ファイルの中の行数、単語数および文字数の表示したい時に使用するコマンドです。

実行例では、introduction.txt というファイルを読み込み、改行の数、単語数、バイト数を出力しています。入力ファイルが複数指定された場合は、すべてのファイルの合計値も出力します。

なお単語とは、空白やタブ文字で区切られた、長さがゼロでない文字列ですのことです。

wc <ファイル名>
            

% wc introduction.txt
       1       9      42 introduction.txt
            

リダイレクト

リダイレクトは、コマンドの実行結果をファイルなどに出力したり、コマンドにファイルなどから入力したい時に使用します。>や<がリダイレクトをしたい時に用いる記号で、>は出力先を変更し、<は入力元を変更します。

次の実行例では、ls -l の結果を ls.txt というファイルに出力しています。

% ls -l > ls.txt
            

次の実行例では、リダイレクトを用いて先ほど作成した ls.txt を出力しています。

% cat < ls.txt
            

コマンドによっては、キーボードなどからの入力を受け付けるコマンドがあります。しかし、多くのデータなどを毎回入力するのは大変です。そこで、入力したいデータを Emacs などのテキストエディタを用いてファイルに保存しておき、それをリダイレクトで入力すれば、キーボードを使わずにデータをコマンドに与えることが出来ます。

パイプ

パイプは、コマンドの出力を別のコマンドに渡したい使用します。|がその時に用いる記号で、ls -l の結果をそのまま出力せず、grep という命令に渡しています。

出力されるのは、ls -l の結果を grep で処理した結果です。

% ls -l | grep May
drwx------   3 m5071117      512 May 15  2003 dic
            

なお grep コマンドとは、検索を行なう命令で、上の例では、May という文字列を検索し、見つかった場合のみ出力します。

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